東広島3大学の就職担当者座談会 今春 卒業生の状況は?

大学生の就職戦線 売り手市場を実感

 景気が上向き、就職する学生にとっては有利な状況になった2015年度。就職状況や学生の動きは例年と比較し、どう変化したのか。東広島での就職状況はどうか。東広島市内3大学の就職支援担当者に話を伺った。(聞き手/日川剛伸、編集/小林晴菜)


▲左から
広島大学グローバルキャリアデザインセンター 豊島祐一キャリア支援グループリーダー
近畿大学工学部 学生支援課就職担当 岡野ゆかさん
広島国際大学 キャリアセンター 末田紀雄事務室長

地元志向とグローバル志向に2極化

 ―今年度の就職状況はいかがでしたか。

広大・豊島 売り手市場でした。一人の学生が複数の企業から内定を受けるということもありました。ここ2〜3年、採用を手控えていた企業もまとめて採用に踏み切ったという話を企業の担当者から聞いています。学生にとって有利な状況だったといえるでしょう。

近大・岡野  多くの求人をいただきました。就活時期の変更で多少混乱も見られましたが、結果的には内 定率・内容共に非常に充実した結果となりました。

広国大・末田  本学では7〜8割の学生が医療系の道に進み、病院や福祉施設に就職します。彼らは例年通りの就職率でした。その他の企業を目指す学生は、例年と比較すると売り手市場でした。

 ―売り手市場の中、近年の学生の就職に対する考えは。

岡野 目指す業界によっても異なりますが、英語学習をはじめ海外も視野に入れる学生もいれば、転勤も含めた大きな動きを望まない学生もいます。チャレンジもしてほしいと考えていますが、家族との話し合いもしっかりするよう伝えています。

豊島 企業はグローバル人材を求めており、企業の求めに呼応するように、世界で活躍することを夢見る学生は増えてきています。その一方で真面目だが、内向きのおとなしい学生が多いのも事実です。

末田 確かに国際的に活躍したいと希望する学生もいます。一方で学生や保護者に面談などを行うと、学生だけではなく保護者も地元(出身県)の就職を希望しているケースが増えてきていることを実感します。

豊島 地元(出身県)に就職したい学生と、グローバルに働きたいという学生の2極化になっていますね。

 ―東広島への企業への就職志向は。

豊島 学生は学業に精いっぱい。当然、東広島の企業を知る機会が少ないまま3年生になり、就職活動を始めることになります。その結果、どうしても知名度が高い大企業を選択することになります。東広島の企業には目が向いていないというのが現状です。東広島には小さくても良い企業が多い。このため、早期に東広島の企業を学生に知ってもらおうと、ことしは1年生のうちから東広島の企業にインターンシップができる制度を準備しています。

岡野 学生の地元志向はかつてより高くなっており、出身県に戻る傾向が強いです。東広島の優良企業を知る機会がもっと増えれば、もう少し東広島での就職につながるのでは、と感じています。

末田 本学では広島県出身者が約60%を占めます。東広島市出身の学生が占める割合も高く、地元志向も相まって、東広島市の優良な中小企業に目を向け、就職活動を行っている学生も多くいます。


各大学生の就職状況の特徴

広島大学

 総合大学として、各学部・研究科それぞれの専門分野を生かし、さまざまな分野で就職。企業就職のほか、学校の教員や公務員になる学生も多い。また、多くの学生が大学院に進み、研究者の道を歩んでいる。2015年度の内定率は90%以上を見込んでいる。

近畿大学工学部

 各学科に専任の就職指導者を3人置くなどして、学生の希望と能力に合った支援に力を入れている。工学部の専門性を生かした製造業や建設業に就職する学生が半数を占める。2014年度には30%程度が広島県の企業に就職している。2015年度の内定率は現時点で98.7%。

広島国際大学

 例年100%に近い就職率で、病院や福祉施設など医療系の企業や施設に就職する学生が多い。20〜30%の学生はサービス業、製造業など幅広い業種に就職している。2015年度も例年同様の内定率を見込んでいる。


[MEMO]地元就職率2・6% 引き上げに市が力

 東広島市内には四つの大学があるが、多くの学生は就職を機に市外へ転出。平成26年の大学生の地元(東広島市内)企業就職率は2・6%にとどまった。

 市が策定した「まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、37年の目標人口を中核都市の指標となる20万人としており、その重点施策には大学生の東広島市内での就職率の向上も盛り込まれている。

 大学生の就業体験の機会を増やしたり、企業情報を学生に発信したりすることで、31年には東広島市内での就職率を5・3%までに引き上げることを目標を掲げている。

 企業に対しては、企業の状況に応じて人的資源管理や経営体制の見直しを支援して新卒学生の採用を促進する。


【3月1日に就活開始!】企業の本音

 昨年から2カ月前倒しでスタートした就職活動。東広島の企業の新卒採用担当者に、採用活動の変化や工夫を聞いた。

●総合事業

 地域貢献に力を入れていることや、経営基盤が安定していることをアピールし、学生を呼び込む努力をしている。3月1日に就活解禁日となって、前年の新卒採用者の入社時期と重なり、業務が忙しくなったようにも感じる。

●人材派遣業

 知名度や職種によっては学生 に選んでもらいにくい。超売り手市場で大手ばかりに学生が流れている。学生との接触回数を増やし、会社を好きになってもらえるようにワンデイインターンシップを行うなどしている。

●製造業

 就活解禁が3月1日になり、学生や他の企業の動きが読めなかった。大学や他の企業と情報交換をしながら採用活動を進め た。インターンシップの回数を増やしたり、会社見学のイベントなどを行ったりして、学生に会社を見てもらう努力をした。

●建設業

 やる気の有無を採用試験で見極め、離職率を下げるよう工夫している。入社前に社内の雰囲気を感じてもらえるよう、内定を出す際は電話をして、営業社員らの祝福の声を伝えている。

ザ・ウィークリー・プレスネット 2016/3/12

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