車なしでは生活しにくい東広島 運転のやめ時 どう考える?

 年を取れば誰にでも身体機能の変化が現れる。判断能力が低下した高齢ドライバーによる交通事故が全国で増加する中、『移動手段が自動車』という人が多い東広島に住むドライバーにとって、いつ運転免許を手放すか、ということは大きな問題だ。自分自身での決断はもちろん、家族と一緒に『運転のやめ時』について話し合う時間が不可欠だ。(橋本礼子)

高齢者の事故が占める割合高く

 高齢ドライバーによる交通事故の主な原因に、アクセルとブレーキの踏み間違い、歩行者や他の自動車を見ても「〜しないだろう」と思って運転することなどがある。

 広島県警によると、県内で多い原因は『安全不確認』。交差点で左右を確認せずに通過しようとして、出会い頭に自動車と衝突するなどのケースが目立つという。高速道路の逆走は、平成27年に17人を確認し、このうち65歳以上の高齢者が8人だった。

 広島県の27年の交通事故は1万1152件で、このうち4086件が高齢者が絡んだ事故。全体の交通事故件数はこの10年で半減したが、高齢者による事故の占める割合が高くなっている(図1)。広島県警は「高齢ドライバーが加害者となるケースが全国で増加している。身体機能の変化を自覚した安全運転をしてほしい」と呼び掛ける。


75歳以上の3・7% 認知機能が低下

 身体機能の低下などによって、自らが申請して免許の効力を取り消す「自主返納制度」を利用する高齢者が増加している。身分証となる免許証や移動手段を失うことに不安を感じる高齢ドライバーが自主返納しやすいよう、自治体や事業者が返納後の支援策を講じていることなどが要因。

 中でも返納を後押ししているのは、運転経歴証明書の交付。返納した人の身分証として平成10年に制度が始まったが、有効期限が半年間など不便な点が多かった。そこで24年の法改正で有効期限を無期限とするなど利便性が向上。広島県の27年1月1日〜10月末の高齢者の自主返納件数は、23年の1年間に比べ約4倍の4228件に増えた。

 また、75歳以上の人の免許更新時に義務付けられている認知機能検査(講習予備検査)によって返納する高齢者も増加している。

 認知機能検査は、更新時に受ける高齢者講習の前に受ける検査で、今の年、月、曜日、時刻を書くなどして、記憶力や判断力を調べる。ここで「記憶力・判断力が低下している」と判定され、信号無視や逆走など特定の交通違反を行ったことがある高齢者は、医師による診断を受けた上で、継続か取り消しかが決まる。

 全日本指定自動車教習所協会連合会のまとめたデータによると、全国で26年に検査をした人のうち、3・7%が「低下している」の判定。認知症の診断で986人が免許を取り消されている。21年の228件に比べて約5倍だった。


右寄り運転など自覚なし¢ス数

 東広島自動車学校によると、高齢者講習を受ける高齢ドライバーの特徴には、アクセル・ブレーキ操作が急▽走行位置が右に寄っている▽ウインカーなどの合図が遅い―などがあり、それに気付いていない人が多いという。

 東広島市が行っている高齢者交通安全教室で実車講習を受けた男性(72)は「ハンドルの回し方やカーブの曲がり方などに癖がつ いていると指摘されて、初めて気付いた」というほど、ベテランドライバーになるほど自己流の運転をしがちだ。

 広島県警は「時には家族が同乗して、センターラインをはみ出していないか、安全確認ができているかを確認してほしい」と呼び掛け、「家族が事故を起こさないか心配」という相談を各警察署で受け付けている。


返納者への支援は自治体によって差

 全国には、運転免許を自主返納した人に対する支援事業を行っている自治体やバス・タクシー会社がある。世羅町では1カ月1000円のタクシー助成券を5年間支給、広島市や庄原市のタクシー会社は料金を1割引きにするなどの支援をしている。

 東広島市では、自主返納した人に対する支援はないが、運転免許の有無にかかわらず、高齢者を対象にした支援として、▽70歳以上の人で、ひとり暮らしまたは高齢者のみの世帯を対象にした高齢者移送サービス(年間に1万円分のタクシー割引乗車券を交付、市民税非課税世帯が対象)▽65歳以上の人を対象にしたコミュニティバス運賃の割引制度がある。

 市は「以前から免許を取得していない人とのバランスや、今後の地域公共交通の整備など、移動が困難な市民への支援策と合わせた検討が必要だと考えている」としている。

自主返納 わが家の場合

〈西条・80歳女性〉

 仕事でもあまり車に乗らなくなったことから、65歳で免許証を返しました。今はタクシーを使ったり、夫や知人に頼んだりして移動しています。夫は80歳で運転をしています。私が入院した時には、病院の行き来があり、「とても免許は返せない」と言っていました。自宅は東広島市中心部ですが、不便だと感じることが多い。循環バスの運行があればいいと思います。

〈八本松・76歳男性の妻の話〉

 わが家が借りている駐車場で、夫が、アクセルとブレーキを踏み間違えてフェンスに突っ込む事故を起こしました。車は破損し、フェンスも壊れましたが、いつも遊んでいる近所の子どもたちがいなかったこと、夫にけががなかったことが不幸中の幸いでした。同じような事故のニュースを見るたびに「わしは大丈夫」と言っていましたが…。これをきっかけに自主返納してもらいました。当初、本人は拒みましたが、今では「交通事故の加害者になることはない」という点で、夫婦ともに「ほっ」としています。私は普段から自転車で移動しており、夫はタクシーで病院通いしています。乗車料金が高くつくので助成金制度が充実されればと願います。

ザ・ウィークリー・プレスネット 2016/1/30

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