
漢字とは中国古代黄帝(伝説上の帝王)の臣・蒼頡(そうけつ)が鳥の足跡を見て造ったものであるという。現存する最も古い漢字は殷商時代(紀年前1500年頃)の亀甲獣骨などに刻みつけられた「甲骨文字」である。その後、漢字は金文・篆書・隷書・楷書・行書・草書などの書体変遷を経て今日に伝わっている。
書道によく使われる書体は、前記の篆書・隷書・楷書・行書・草書の五種類で、今回から五回にわたって現在展示中の愛新覚羅・毓嶦さんの五点の作品(内容はすべて李白の詩「金陵酒肆留別」)を例に各書体を紹介する。
篆書は中国最初の系統的な表意表音文字で、大篆と小篆に大別される。
大篆は、周の宣王の時(紀年前1000年頃)、太史(官職名)の籀(ちゅう)が従来の古文字を整理して作ったものので「籀文」とも呼ばれる。小篆は、秦の始皇帝の時(紀年前200年頃)、大臣の李斯(りし)が書体の統一をはかり、大篆を簡略化し改作した実用的な文字で、「秦篆」とも呼ばれる。
篆書体には、極めて種類が多く、象形文字とも思われる書体から装飾文字、更には次の時代の隷書に近い書体に至るまで実に数百種をかぞえることができる。
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風吹柳花滿店香 風 柳花を吹きて満店香し 吳姬壓酒勸客嘗 呉の姫 酒を圧して客に嘗むるを勧む 金陵子弟来相送 金陵の子弟 来たりて相送り 欲行不行各尽觴 行かんと欲して行かず 各觴を尽くす 請君試問東流水 請う君 試みに問え 東流の水に 別意与之誰短長 別意と之 誰れか短長と 甲子(1984)年初夏(旧暦4月)於北京 愛新覚羅毓嶦 寫 |