愛新美術館便り‐第4号

すべてはこの一枚から

『ザ・ウィークリー プレスネット』2005年7月30日号掲載

 

 北京に旅した時のこと、「元満州皇太子が字を書いてくれる」というガイドの誘いに乗って連れて行かれたところに、みすぼらしい身なりの初老の人が座っていた。眉につばを塗りながらも旅の気まぐれも手伝い、意地悪半分で思いついた句を紙片に書きつけて揮毫してもらったのがこの書である。

 時を経て今ここに愛新美術館がある。話せば長いことながら、すべてはこの一枚の書に端を発する・・・

 

梧一葉

梧一葉落而知天下秋

  梧の一葉落ちて天下の秋を知る

  一九八二年七月 愛新覚羅毓嶦

【意味】
 梧(アオギリ)の葉が一枚散るのを見て 秋の訪れを悟る、転じて落葉を物事の衰え滅びる兆しになぞらえていう。
 中国古典に「一葉落知天下秋」とあり、また坪内逍遥の戯曲に「桐一葉」と題した作品がある。

寸法:43cm×34cm    1982年

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