
かねがね主張しているように、「美」は、「情報の伝達」、「創造性」と並んで芸術を構成する三要素の一つであり、書法作品についても美しいことは必須の条件である。私は芸術の「美」を「知覚・感性を刺激して人と社会を質的に向上させるような良質の内的快感をおこすもの」と定義つけており、書法作品に接する楽しさの一つはそのようなある種の心地よさを味わうことになる。
「創造性」と同様、書法の美も、表現されている情報の思想的或いは文学的内容に感じられるかもしれないし、また単に視覚上の美しさであるかもしれないが、いずれにせよ作品は美を意識して表現した成果であり、見る人に心地よい陶酔を覚えさせるにちがいない。