豆知識

中国絵画の特徴(五)
詩・書・画の融合

 画は、「美しく、創作し、表現する」、すなわち「芸術」であるという点で詩・書と境地を共にする。ただ、画が視覚を通じてまず感性に訴える直情的表現であることに対して詩は文字と音声より成る言語を通じてまず知性に訴える論理的表現であり、書は両者の融合、すなわち詩(語句を含む)の画的表現ということができるであろう。そして、詩・書・画のそれぞれが表現能力の上で独自の領域を備えている。

 中国絵画に限らず西洋絵画でも一般に作品に題名を付けることで画の表現意図を補完するのが普通ですが、中国では宋代の頃から、とりわけ近世以降は必ずと言ってよいほど、画中に詩句が書き添えられるようになり、これは中国絵画の大きな特徴の一つとなっている。題辞、画讃、跋文などと呼ばれるこれらの詩句は、直情的表現の画に論理的な意味、或いは比喩的な意義をも持たせることで画の表現意図を鮮明に浮き上がらせ、また絵画の表現能力の限界を大いに補完するものである。同時に、こうして完成された複合作品は単に画風の味わいを有するにとどまらず、詩の文学的味わいと書風の味わいをもあわせもち、まさに詩・書・画の融合芸術ということができる。

(林 淑恵)

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